汲み取り式トイレをお使いの方で水洗トイレにリフォームをお考えの方は、費用工事内容工事期間などの情報を事前に知りたいのではないかと思います。

実は先日、汲み取り式トイレから水洗トイレへの実際のリフォーム工事現場業者さんに話を聞く機会がありました。

そこで今回は、入手した見積金額(2社分)・工事内容・現場写真の情報を皆さんに大公開したいと思います。

これから同じようなリフォーム工事をお考えの方に是非参考にして頂ければと思います。

冒頭では、すぐにリフォームできない方の為の臭い対策について少し解説しております。

すぐにリフォームを考えている方は「水洗トイレへの工事の前に確認しておく事」から読み進めて頂ければと思います。

※なお今回の記事について、あらかじめ施主の方には写真を使う事・レポート記事を書いて情報提供する事について了承いただいております。

汲み取り式トイレの悩み

汲み取り式トイレの悩みと言えば・・・

  • 汲み取り費用がかかる
  • 特に春先から夏場は臭いが上がってくる
  • ウジなどの虫が発生しやすい

住んでいる地域によっては公共下水道管の工事が間に合っておらず、水洗トイレに変えたくてもすぐに変えられない方も沢山います。そんな方の悩みは大きく上記の3つ。

とっても不快ですよね。いくらきれいに掃除をしていても便槽からの臭いが上がってきやすい構造なので仕方ありません。

しかし公共下水道管の整備が整っていれば、水洗トイレへのリフォーム工事をする事でこれらの悩みが全て解決します!

次に気になるのは費用や工事内容ですが、その前に水洗トイレの設置がまだ出来ない方への虫や臭い対策について少しお話いたします。

まだ公共下水道管の整備が整っていない方へ

まだ、下水道管の整備が整っていない場合にはまず各自治体にいつ頃までに整備されるのかを確認しましょう。

すぐに整う場合は良いのですが、整備されるまで少し時間がかかる場合にはおすすめの「臭い&虫」対策がありますので是非参考にして頂ければと思います。

そのおすすめの対策とは、便槽に直接バクテリア(微生物)が入っている粉末を投入し長期にわたり臭気を抑える方法です!

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気になる方は是非調べてみてくださいね。

また、公共下水道の整備がまだで便槽をそのまま、もしくは便槽自体を大きくして「簡易水洗トイレ」を設置検討している方は下記の記事を是非参考にして頂けたらと思います。

水洗トイレへの工事の前に確認しておくこと

事前にチェック!

・各市町村の役場へ公共下水道管が敷地のそばまで来ているか(来ていない場合にはいつ頃整備されるのか)確認
工事が出来るスペースが敷地内にあるか(業者と確認)

・数日にわたる場合に仮設トイレの設置場所が敷地内にとれるか
・工事日の前日か当日の公示直前に汲み取りに来てもらう連絡をする

まずは自宅のそばまで公共下水道管が来ているのかを確認します。

屋外工事では配管工事便槽の処理をするために、地中に埋まった配管を掘り起こす工事を行います。

ですので事前に「職人さんが作業できるスペース」「重機や大きな機材を置くスペース」敷地内にあるかどうか施工業者が確認をします。どうしても隣の家との境界部分の関係や他の理由でスペースが取れない場合には工事が出来ない事もあるようですが、大抵は何とかなります。

また、内装工事の工期が2~3日など数日に渡る場合は敷地内への「仮設トイレ設置」が必要か?必要な場合は設置スペースがあるか?施工業者が確認します。

因みに今回のリフォーム現場では必要なかったのですが、見積上では仮設トイレ費用30,000円でした。

工事日が決まったら、便槽内を空っぽにしなければいけないので汲み取りに来てもらう手配をしておきます。

ここで注意ですが、便槽の中に消毒をしてコンクリートを埋めていきますので汲み取り後はトイレは使用しないでくださいね💦

また、こちらでやることでは無いのですが、工事を開始する前と工事完了後業者が役場に連絡をします。そして工事完了後「きちんと配管が出来ているか漏れなどないか」役場の方が自宅に来て確認をします。

役場の確認が終わったら完了確認済書を受け取り、工事店に工事費の支払いを行う流れとなります。

費用について 実際の見積内容

今回入手した見積は比較検討の為に相見積もりされていたので2社分あります。

内容や金額はそのまま記載していますが、2社で書式が違うため比較しやすいよう編集したものを画像で掲載しています。

少し見にくいと思いますが拡大しながらご確認ください。

最終的にはA社で契約となってます。

「名称」が2社で少し違いますがどちらも工事内容は同じです。

B社の方に赤字で示している(トイレ本体・仮設トイレ)の箇所は2社で差額が出ている箇所です。トータル12万円の差が出ているのが分かります。

2社の見積もり差額について解説

まずトイレの規格が違い約9万円の差額が出ています。

・ A社「LIXILベーシアシャワートイレ」
・ B社「LIXILプレアスHS」

実は2つのトイレのは見た目も機能はほぼ同じです。なぜ同じ規格で見積出来なかったのかの理由を簡単に説明します。

メーカーとの年間取引額や信用度が一定基準を満たしている業者は、お得な価格の「ベーシア」という規格のトイレを仕入れることが出来ます。A社は「ベーシア」の取り扱いが可能な業者でした。

B社にも確認してみましたが、主な取引先メーカーがTOTOとのことでLIXILのベーシアの取り扱いがないとの事。

この話は詳しく話すとややこしくなるので割愛します。(メーカーと設備販売商社の間にはいろいろな取り決めがあります。)

そう考えると業者選びの際にも、希望の商品取り扱いがあるかどうかを先に確認しておいた方が良いですね。

 

次に仮設トイレの有無です。

B社は小規模な施工店で職人さんが少なく屋内工事が1日では終わらないとのことで、仮設トイレ代3万円が記載されています。

結果、全体で12万円の差額となっています。

差額12万円内訳 ➡ トイレ規格違い約9万円 + 仮設トイレ代3万円

こうして差額の原因がはっきりすると安心ですね。

宜しくない業者はこの辺りが曖昧だったりするので不明な点はきちんと質問しておきましょう。

今回は差額の原因も明確に分かり、その他の工事内容と規格もほぼ同じものを使い金額もほとんど差が無かったため、どちらもきちんとした業者さんであることが分かります。

業者は自由に選べない?!

今回は役場の指定した業者で工事を行う事が決められていたので、その中から2社の見積をお願いしています。

公共下水道を利用する工事という事で業者の指定があるようです。

町役場のホームページを確認したところ、「工事の不具合により水漏れ・流れにくくなったなどの不具合が生じると下水道本来の機能が果たせなくなるので指定業者で工事を行ってください」とのことでした。

みなさんも工事業者については各市町村の役場で確認をして依頼するようにしましょう。

トイレが使用できない期間ってどれくらい?

実際にトイレが使えないのはトイレの設置をする工事の時に発生するので、数日かかる屋外の配管工事を行っている間は普通にトイレは使えます

今回のトイレ設置にかかる時間は朝8:00~夕方16:00までの約8時間でした。その間は近くのコンビニやスーパー、公共のトイレを利用することになります。

近くに公共のトイレが無い場合はたった8時間でも仮設トイレの設置を検討した方がよさそうです。

工事レポート

工事概要

工事費用:674,157円
工期:配管&便槽処理工事4~5日トイレ設置工事1日(約8時間)
工事内容:外部配管工事内装工事(床のかさ上げ・床張替え)

工事の期間は天候に左右されるので、雨が続けば工期も伸びます。

それではここからは、写真が一番わかりやすいので現場写真を工事の工程に沿って紹介していきます。

配管工事

自宅の浴室・洗面・キッチンから出る生活排水の処理を敷地内の浄化槽で行っている場合には、浄化槽を埋めて公共下水道へ直接流すための配管工事をします。

まずは敷地内の浄化槽につながっている配管を掘り起こし、古い排水パイプを撤去し公共下水道管に繋げる排水パイプを新設していきます。

写真-1 工事前の写真

写真-2 新しい公共下水道管

写真-3 古→新排水管へ
奥側からキッチン・トイレ・浴室・洗面

写真-4 枡接続部分

写真-5 埋め戻してコンクリートを入れる準備

写真-6 コンクリート固め中
固まるまで2~3日

配管工事は、キッチン・浴室・洗面・トイレからの排水管を新しいパイプに変えて公共下水道に繋いでいくので掘り返す範囲も思ったより広く、大変な作業なんだなと感じました。

便槽の処理

写真-7 工事前の便槽

写真-8 便槽内処理後コンクリートで固め中

<便槽処理の手順>
1、トイレ撤去後、トイレ床から便槽まで穴をつなげる
2、便槽内に消毒・殺菌
3、便槽内に砂利を入れる
4、コンクリートを流し込み固める

今まで使っていた便槽は使用しなくなるので殺菌処理してからコンクリートで埋めます

便槽の処理は大体2時間程度で終わり、コンクリートが固まるまでは2~3日かかります。

内装工事

屋内工事内容

・内装工事:床のかさ上げ・床の張替え(クッションフロア)
・トイレ設置:水洗トイレ設置・紙巻き器とタオル掛け設置(手すりは既存)

 ➡所要時間6時間程度

今回は壁紙はそのままで、床のかさ上げと張替えを行いました。今回の現場は特殊で廊下側からドア枠分60mm高くなっていて、トイレ側にさらに60mm下っていたのでドア枠から床まで約120mmも段差がありました。

写真-9 トイレ工事前の段差約120mm!

写真-10 床貼り・かさ上げ完了
奥に見えるのがトイレとつながる排水管
元の床を剥がし、その上に根太を入れ、
かさ上げし床を張る

 

 

 

 

トイレ設置

写真-11左、12右

左:リフォーム前  ➤  右:リフォーム後!!スッキリ✨!

ドア枠分の60mmの段差はそのままですが、ちょうど廊下と同じ高さになりました。完全にバリアフリーにするにはドア枠からやり替える必要があるのですが、今回はドアはそのままでリフォームしていません。

これで無事トイレのリフォーム完了です!

水洗トイレになると発生する料金とは?

汲み取り式トイレ利用

・汲み取り費用
・水道料金

水洗トイレ利用

・上下水道料金 

汲み取り費用は無くなり、水道代は今後は上下水道料金1本にまとめて支払います。

その他の費用 「受益者負担金」について

対象地域の住民は「上下水道料金」とは別に、下水道建設事業費の一部を負担する「受益者負担金」が賦課されます。

既に市町村からの通知で支払いしている方も沢山いらっしゃると思いますが、知らない方のために簡単に説明しておきますね。

「受益者負担金」とは、下水道建設事業の建設費を接続可能な地域の住民が一部負担するもので、自宅の土地面積に応じて支払金額が変わります。そして賦課されるのは1度だけで全額払えば終わりです。

今回のリフォーム現場では約20万円の「受益者負担金」が賦課されており、すでに年払いで5年にわたって支払いをしている最中とのことでした。(支払い方法は一括・年払・月払が選べ月払以外は割引有り)

詳しく知りたい方は、市町村によって負担金の算出方法や支払い方法などが違ってくると思いますので、お住まいの市町村HPで確認してみてください。

最後に・・・

今回の現場ではすでに下水道事業の整備が整っていたため、すぐに水洗トイレへの交換工事ができました。

トイレだけの交換工事と違って、排水管の交換便槽処理などの工事もあるので少し大掛かりな工事になりますが、水洗トイレになれば、臭いや虫の発生もなくなるのでとっても快適に過ごせますね♪

生活排水の河川への流入で起こる水質汚濁を防ぎ、衛生面はもちろんのこと水資源を大事にしていく為にも汲み取り式トイレから水洗トイレに変えていくのは地球環境を考えた素晴らしい行動と言えますね。

ちょっと話が大きくなりましたが、皆さんも水洗トイレへの工事をお考えでしたら是非この記事を参考にして頂けたら幸いです。