トイレリフォームで、どのメーカーのトイレにしようかと悩んでいる方はたくさんいますよね。

長年使ったトイレと比べると最新のトイレの進化は目覚ましく、「こんな機能まであるの?」と驚くことが沢山あると思います。

でもまずは新しいトイレにするのならお手入れがしやすくて、汚れに強いトイレが良いですよね。

実際に私の自宅も最新トイレを使っていますが、本当に驚くほど汚れが付きにくくて落としやすいトイレなんですよ!

特に便器は掃除の回数が激減!床はやはり臭いや汚れが染みつくのが嫌なので毎日拭き掃除はしていますが、便器掃除がラクすぎてお掃除ストレスも減りました。

最近はこんな清掃性に優れたトイレが発売されており、各メーカー様々な技術でアピールしています。

CMなどで見たことがあったり聞いたことがある方もいると思いますが、LIXILアクアセラミックやTOTOセフィオンテクト、パナソニックのスゴピカ素材、は便器の素材自体やコーティングの技術などの防汚技術の名称です。

今回はこの各メーカーの便器の防汚技術に関して、どんな技術でどんな効果があるのか?など、これからトイレ選びをする方への判断材料になるよう元業界経験者の私が分かりやすく解説していこうと思います。

トイレの臭い・汚れの原因

小さいお子様や立って用を足す男性の尿はねなどで便座裏や便器と便座の隙間、床、壁に尿が付着してしまいます。トイレの臭いの原因となるのはこの飛び散った尿が原因のアンモニア臭とトイレの窓周りやタンク内についてしまったカビ臭

どちらも細菌の繁殖によって臭いが発生します。

窓枠の結露によるカビについては目に見えるので掃除が出来ますが、トイレのタンク内に関しては普段開けない場所ですのでなかなか気付きにくいですね。

また、汚れに関しては尿石やトイレの水に含まれるシリカという成分が石灰化して起こる「水アカ」(俗にいう「さぼったリング」)や、尿はねで付着する汚れ・汚物汚れがあります。

しかし汚さないようにトイレを使用するのは現実的に難しいので、どうしても付いてしまう汚れや臭い対策として各トイレメーカーが様々な工夫を凝らした機能を開発しています。

私がこの業界でお仕事を始めたころ、まじまじとトイレについて眺めたこともじっくり考えたことも無かったので清掃性の機能について知った時は「こんなところまで工夫されているんだ!」と非常に関心し感動しました。

そんな進化したトイレにリフォームすれば気になる臭いや汚れによるお掃除のストレスも一気に解消できますよ!

ではどんな機能があるのかさっそく見てみましょう。

メーカー別トイレの清掃機能について

お掃除ポイントに沿って各メーカーの機能を解説していきます。

  • 便器(衛生陶器)の清掃性
  • 便器のフチ形状と清掃性
  • 便座の形状と清掃性
  • 便器と便座の隙間掃除の清掃性
  • 便器鉢内の除菌機能と脱臭機能
  • ノズルの清掃性

便器の清掃性 素材がスゴイ!

基本的に便器の素材は陶器で出来ていることが多く、表面は非常に硬く滑らかでキズが付きにくいようになっています。

便器の表面にキズが付くとキズの溝に臭いの原因である細菌が繁殖したり汚れの付着につながるんです。

それに陶器自体には水アカが固着してしまう性質がある為、陶器自体に便器に適した改良を加えたことで清掃性がグ~ンとアップしました。

各メーカーとも、清掃性で重視している点はこのようになります。

  • 便器を硬くしてキズが付きにくい素材にする
  • 便器表面の平滑度を上げツルツルにすることで汚れの付着を防ぐ
  • 便器表面の平滑度を上げ(流す際)水の力で汚れの付着を防ぐ
  • 水アカ・細菌の繁殖を防ぐことで臭いを抑制させる

ざっくりまとめてしまうと「便器が硬くツルツル」であれば臭いの原因となる水アカや汚物の固着が防げ、臭いの原因となる細菌の繁殖を抑制できるということです。

ということでさっそくメーカー別に便器の清掃性についてみてみましょう。

「TOTO」

セフィオンテクト

「TOTO」には「セフィオンテクト加工」と言って便器の表面にガラス素材を焼き付けて出来たツルツルでキズに強い陶器があります。

プレミスト

さらにトイレの使用前に「プレミスト」といってミスト状の水を便器に吹きかけ表面がツルツルの状態を作り出すので汚れの付着を防いでくれるダブル機能になっています。

きれい除菌水

またCMなどでも流れてますが「きれい除菌水」といって水道水を電気分解して除菌成分を持つ水(きれい除菌水)を生成し、トイレ使用後と8時間使用していないときに便器に吹き付けて菌の繁殖を防ぐ機能もあるんです。

個人的には水を使う量が他のメーカーより多くなるのかな?と感じましたが、トイレの洗浄で使う水の量が節水になっているのでそこまで気にしなくても良いんじゃないかと思います。

徹底的に臭いの元となる菌の繁殖を防ぐ機能が満載ですね!

「LIXIL」

 アクアセラミック・銀イオンの力

「LIXIL」には「アクアセラミック」といって水の力だけで頑固な水アカや汚物を落とせる陶器があります。

さらに、キズに強くISO(国際標準機構)に認定された銀イオンの力で細菌の繁殖を防ぐ抗菌機能も兼ね揃えた陶器となっています。

陶器そのものが生きた細菌の繁殖を抑える機能は今のところLIXILにしか無いようです。

アクアセラミックの耐久性についても強く訴求されていて100年間この機能が続きますということで「100年クリーン」と謳っています。

100年も同じトイレは使わないですが、そのくらい便器の清掃性に自信があるということですね。

「パナソニック」

有機ガラス系・スゴピカ素材

「パナソニック」については、便器の素材は陶器ではなく「有機ガラス系」という素材で出来ており、割れ・ヒビ・キズにも強く「スゴピカ素材」と呼ばれています。

オゾンウォーター

また「オゾンウォーター」と言って水道水を電気分解し除菌効果のある水を生成し、便器の水が溜まっている境目の部分を中心に吹き付けて輪じみを付きにくくしてくれます。

ただ、陶器ほど硬い素材ではない為、掃除の際に何度も強くこすったり表面が削れてキズが付かないように気を付けなければなりません。研磨剤入りの洗剤は特にNGです。

この「有機ガラス系」の良さは陶器と違って加工がしやすいため便座と便器の隙間がなく汚れが入りにくい形状になっているところです。隙間の汚れも臭いの原因になるのでこれは嬉しいですよね。

 

各メーカーとも清掃性の高い便器を開発しているんだなぁ・・とわかって頂けたかと思います。

どのメーカーを選ぶかはその他の機能や価格なども総合して判断頂くのが良いと思いますし、今回の便器の機能だけだとどれも優れていてあまり差がないので選ぶ側としては難しい選択になりますね。

今回は機能を知って頂くための記事になりますので是非比較検討の材料にして頂ければと思います。

次回は便器のフチ形状についてお伝えいたします。